近藤直子——残雪を日本に伝えた翻訳家

残雪の作品を日本語に移し、読者を育て続けた翻訳家が、近藤直子(1950-2015)です。中国文学者として日本大学文理学部教授を務め、日本で出版された残雪の単行本の大部分は、その手になる翻訳です。日訳残雪の書誌については「残雪の日本語訳 全作品リスト」をあわせてどうぞ。

生没1950-2015
職業中国文学者・翻訳家
最終所属日本大学文理学部教授
主著評伝『残雪――夜の語り手』(河出書房新社)

1987年、ある短編との出会い

1987年、近藤は短編「阿梅在一个太阳天里的愁思」(原題・約3000字)を読んで深い衝撃を受け、ただちに翻訳の仕事に取りかかります。これが日訳残雪の起点でした。以後、日本で出る残雪の単行本のほとんどが近藤の訳となり、残雪の日本語圏における紹介者=第一人者としての仕事が続きます。

残雪研究会の主宰

東京で残雪研究会を主宰しました。会員は大学の中国語教員や大学院生ら約10名。会誌『残雪研究』を年1〜2号のペースで発行し、翻訳を越えた研究の拠点を築きました。

2015年8月に近藤が病逝したのちも研究会は活動を続けており、第二代会長は共同訳者でもある鷲巣益美が務めています。日訳『廊下に植えた林檎の木』(白水Uブックス、2026)の共訳にその系譜がつながっています。

評伝『残雪――夜の語り手』

著書に評伝『残雪――夜の語り手』(河出書房新社)があります。翻訳者自身の視点から残雪の文学世界を論じた基本文献で、日訳残雪を読み深めるための一冊です。

関連ページ

近藤直子の仕事と人柄については、中文での詳しい長文記事「近藤直子:她用尽一生关注残雪」を当サイトで読むことができます(中文ページです)。

中文詳細版を読む:近藤直子:她用尽一生关注残雪

残雪の日本語訳 全作品リスト